たった一人の生存者
そう田辺が言ったのを聞いて、幸平と井之上は走り去って行った。

「サンキュー助かった。」

幸平は走りを歩きに変えホッと一息つき言った。

「ど〜せおきべんだろ?家遠いからって、おきべんばっかすんなよ。」

井之上も歩きに変えて笑いながら言った。

「でも田辺ってなんでお前だけ名前で呼んでんの?」

「知らねぇよ。気持ち悪ぃ。」

「幸平って田辺のお気に入りだったりして!」

井之上は自分で自分を抱きしめ目をつぶって叫んだ。

「ちょっと止めろよデカイ声で!」

等と会話をしている内に教室の前まで来た。
< 8 / 38 >

この作品をシェア

pagetop