執事の名のもとに
「笑うな!!」
「はいはい。」
敦が勝をなだめているうちにもう一人の海琉を見た。
さっきみたいに固まってはいないみたいだけど何か考えこんでる感じがする。
海琉に近づくて気配を感じたのか顔を上げた。
「大丈夫か?」
「いや…、別に。」
海琉が白雪姫っていうのはなんとなく分かる気はするけど、男なのにドレスはなあ?
パーティーの時もショックだったぽいし。
「気楽に考えろ?どうせ所詮劇だし。お前はちゃんと男だろ?」
「……はい、そうですね。」
いつもの表情に戻ったな。
「明日から頑張ろうな。」
「はい。」
笑った海琉を見てから敦達の場所に戻った。
この時海琉を傷つけていたことに俺は気づかなかった。