執事の名のもとに
「まあ、ちょっとな…。」
曖昧に言うと敦が不思議そうに見てきた。
「お前が俺に言わないなんて珍しいじゃん。」
そう、俺は何かと困ると敦に相談してた。
でも今回のことはうかつに話すわけにはいかないと思った。
だってもし俺の言ったこと本当でも、間違いでも、学園中が大騒ぎになることは目に見えてる。
「俺も、大人になったってこと。」
「なんだそれ?」
それ以上聞かないでくれた敦。
たぶん気づいたからこそ、何も知らないフリをしてくれてるんだと思う。