執事の名のもとに






「まあ、ちょっとな…。」



曖昧に言うと敦が不思議そうに見てきた。 



「お前が俺に言わないなんて珍しいじゃん。」



そう、俺は何かと困ると敦に相談してた。 



でも今回のことはうかつに話すわけにはいかないと思った。 



だってもし俺の言ったこと本当でも、間違いでも、学園中が大騒ぎになることは目に見えてる。 



「俺も、大人になったってこと。」



「なんだそれ?」



それ以上聞かないでくれた敦。 



たぶん気づいたからこそ、何も知らないフリをしてくれてるんだと思う。 






< 257 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop