執事の名のもとに
舞台を見つめていると、誰かに肩を叩かれた。
「晴馬…。」
「敦…、探したよ。」
ため息混じりに呟いた。
「…ん?なんかあった?」
「海琉、熱あんだよ。」
そう言うと敦の顔が変わった。誰よりも皆を心配して気を配る敦は普段とは断然違う表情をする。
「で、今は?」
「薬は飲ませたけど、また、効いてないらしい。」
「…そっか。気にしとくよ」
「ああ、頼む。」
敦は出番がきて舞台に出ていった。