執事の名のもとに
「何から聞きたいですか?」
そう言った海琉の声はこの場に合わないぐらい明るかった。
「始めから…この学園に入る開き札まで全部話してほしい。」
「…敦。」
「ふっ…分かりました。長くなりますよ。」
一呼吸置くと海琉は話しだした。
―――――………
―――……
俺と愛琉は茶道の家に生まれた。
でも家元は代々男が継いでいた。
だから俺たちは継承者にはなりえなかったはずだった…。
あの日までは。