執事の名のもとに
卒業
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「第86回 執事学園卒業式を始めさせていただきます。」
「…卒業生代表挨拶、神崎敦。」
「はいっ。」
最前列に座る彼は見事なまでに燕尾服を着こなし、優雅に壇上に上がった。
「…今日、我々が卒業という素晴らしい日を向かえることができましたのも、日頃厳しくご指導してくださった先生方、このような学校に行かせてくださった両親、そしてどんなに辛い時も共に切磋琢磨してきた友人。全ての人のおかげであると思っています。正直、今回挨拶をするのは私よりもっといい人がいたように思えますが、今回私を選んでいただいてとても光栄に思っています。ここでの生活は決して、楽しかったとは思えません、しかし、これから歩いて行くうえできっと自分たちの役に立つことは必ずあると思います。この学園で、一生仲良くしたい友に出会い、いろいろなことを学ばせていただき本当にありがとうございました。卒業生代表、神崎敦。」