執事の名のもとに
さっきと表情を変えず言葉を発した親父。
「なんで、執事なんて。」
「お前には言ってなかったが、うちの家は代々二階堂グループの跡取りの執事になる慣わしでな。」
二階堂グループってあの二階堂グループか?
でも待て、親父はただの会社員だよな。
「でも、親父はただの会社員だよな?」
「それはだな、私の時は跡取りが男だったからだ。」
「………」
「あなた、分かりやすく説明してあげなくちゃ。」
説明力のない親父にお袋が笑う。