銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
ニッコリと微笑む鎖葉斗。

天使の様な笑顔も、時と場合によって悪魔の笑みへと変わる。

「違う…あたしは死んでほしいなんて思ってない……間口……間口……」

美紗の目から涙が零れる。

涙は次第に頬へと零れ落ちていく。

「……じゃあまた望めば? 生き返って欲しいって。」

鎖葉斗は美紗の右手首を強く掴んだ。

美紗はあっけからんと鎖葉斗の顔を覗き見る。

「望め。キミが望めばボクの力は増していく。」

訳が解らない。

然し今は望むしかない。

「間口……生き返って……」

すると突然鎖葉斗の体が蒼白色に光だした。

「!あなたの支配者の力はこれほどの物なのか!?

復活の時はそう早くないね。また明日、白江様。」

そこで美紗の意識は途切れた。
< 10 / 197 >

この作品をシェア

pagetop