銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
“待ってください!

ミサは……彌鎖は好きでこんな能力を持ったわけではないのです!!

彼の子には才能がある! きっと此の能力にも打ち勝てる!”

『駄目ですよ彌羽様。

彌鎖様はこの世界の脅威。

災いの新芽は為るべく早く叩き潰さねばなりませぬ。』

クスクスと笑う紫のフードの男は、
意義を申し立ててる流れる様な黒髪の、綺麗な女の人を見た。

“金太……もうどうすることもできないの?

私の愛しい子……彌鎖……”






「ミサ姫様!!」

鼓膜がおかしくなるようなくらい、大きな大きな金太の声が目覚ましになった。

「き、金太……ここは?」

「我が城の最深部です。

此処で支配者議会は行われた。

……ミサ姫様、あなたは此処で死刑判決を受けたのです。」

死刑判決……なんのこと?

私は生まれてから一度も捕まったこともないし、罰されたこともない。

なのに死刑判決?

こんなところで?

「もう数百年も前の話だ。」

金太……なにを言っているの?

私は今まで引っかかってたことを聞いた。

「金太、私の名前は?」

「……ミサ姫、彌鎖姫様です。

彌羽姫様と私の子。

あなたは彌羽姫様の弱さから生まれた。

初めての支配者なのです。」

嘘……やめて……やめて……

もう何も言わないで!

真実を知ってしまうのが恐い……

助けて誰か……

「ミ……マ……ナ……モ…… 

セ……ヲ……スク……

ト……シャ……ミ……ラ」

最後に聞えた金太の言葉は、私の記憶の深いところに着くと、
眠り始めた。
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