銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「にしてもさ、鎖葉斗君がいなくなってからもう一ヶ月経ったんだね。」
美紗は最後に『帰ってこないかな』と、言おうとしたが、呑み込んだ。
言っても帰ってこないのはよく知ってる。
一ヶ月前。
曼陀羅駄菓子店という、キャルナスの知人が経営している駄菓子屋で、
美紗達は試練を受けた。
其れは記憶の世界という、架空の空間で、与えられた試練をクリアするという、至って簡単な試練だった。
なのに、白露 鎖葉斗。
彼一人だけ、帰ってこなかった。
一ヶ月経った今もまだ、帰ってこないのだ。
其れから、美紗達は白露という戦力を失い悩んだ。
だが、一度溢れ出した支配力の代償は止まらない。
美紗は一日なにもしないだけで、また死に一段と近づく……、そんな普通では考えられない状態なのだ。
白露がいなくてもどうにかしなければ……
美紗達は三組に別れて行動する事になった。
間口 吾平と、綾瀬 めちる。
真田 真帆こと霧草 忍と、七瀬 香。
そして白江 美紗と、キャルナス・シャルドネ。
彼等はそれぞれの地に有る、残りの鍵を探しに行く。
美紗とキャルナスは、此の国の最北端の地にやってきていた。
神授の森――――
此の辺りに住む人は、此処をそう呼ぶ。
キャルナスに拠ると、此処に紅の鍵が有るそうだ。
「でもさっきの子、村から出てけって言ってたけど、村何て在るのかな?」
美紗は腕を組んで考えるフリをする。
「さぁ、行けば解りますよ。」
笑いながらあっさり流されてしまった美紗。
此のキャルナスという男と、行動を共にするようになってからもう数十日。
なのに未だに美紗は此の男が解らない。
過去は謎だらけ。
つい最近見つけた項の傷。
時たまに見せる、哀しい顔。
仲間として知りたい。
だけど聞くチャンスが無いからなぁ。
そう思っているうちに、一日が終わるのだ。
美紗は最後に『帰ってこないかな』と、言おうとしたが、呑み込んだ。
言っても帰ってこないのはよく知ってる。
一ヶ月前。
曼陀羅駄菓子店という、キャルナスの知人が経営している駄菓子屋で、
美紗達は試練を受けた。
其れは記憶の世界という、架空の空間で、与えられた試練をクリアするという、至って簡単な試練だった。
なのに、白露 鎖葉斗。
彼一人だけ、帰ってこなかった。
一ヶ月経った今もまだ、帰ってこないのだ。
其れから、美紗達は白露という戦力を失い悩んだ。
だが、一度溢れ出した支配力の代償は止まらない。
美紗は一日なにもしないだけで、また死に一段と近づく……、そんな普通では考えられない状態なのだ。
白露がいなくてもどうにかしなければ……
美紗達は三組に別れて行動する事になった。
間口 吾平と、綾瀬 めちる。
真田 真帆こと霧草 忍と、七瀬 香。
そして白江 美紗と、キャルナス・シャルドネ。
彼等はそれぞれの地に有る、残りの鍵を探しに行く。
美紗とキャルナスは、此の国の最北端の地にやってきていた。
神授の森――――
此の辺りに住む人は、此処をそう呼ぶ。
キャルナスに拠ると、此処に紅の鍵が有るそうだ。
「でもさっきの子、村から出てけって言ってたけど、村何て在るのかな?」
美紗は腕を組んで考えるフリをする。
「さぁ、行けば解りますよ。」
笑いながらあっさり流されてしまった美紗。
此のキャルナスという男と、行動を共にするようになってからもう数十日。
なのに未だに美紗は此の男が解らない。
過去は謎だらけ。
つい最近見つけた項の傷。
時たまに見せる、哀しい顔。
仲間として知りたい。
だけど聞くチャンスが無いからなぁ。
そう思っているうちに、一日が終わるのだ。