銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
そうだったのか。

納得がいく。

自分では無い……

白江 兼允が撰ばれた支配者だったんだ……

「解るか?

此の意味が?

お前の支配力は兼允の極一部分を継いだにすぎない。

オリジナルの支配力、どれくらいの能力だか解るか?」

キューブは龍神をも吸い上げ、辺りを闇で根絶やしにしようとする。

止めなきゃ……でももう駄目だ。

撰ばれた此の力で皆を、世界をも救えるんじゃ?

そんな都合の良い夢物語はもう終わり。

自分はコピーだった、白江 兼允という神撰者の。

コピーはオリジナルには勝てない……

「支配者、さようなら。」

格段と威力を上げ、キューブは美紗達の方へ近づいて来る。

これまでか……

美紗の考えとは裏腹に、またもや救世主は降り立った。

「……遅いですよ、兄様。」

「ごめんね、珀月。」

空から華麗に刀を振り下ろし、キューブを真っ二つにすると、第二の救世主は悪魔の様な笑みを浮かべた。

「さぁ、これで揃いましたね。」
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