銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「うんっ。」
自然に笑みが零れた。
凄いね、貴女の前だったら封じ込んでいた感情が甦ってくる。
「美紗っ。」
美紗はキャルナスの背に負ぶさると、三人は森の外へと出て行った。
「白露……
何時から気づいた?」
ルネサンスはキャルナスの魔法から解放された両腕を、ぽきぽきとならす為に動かす。
「茶亜夢が支配下に入って来た頃からさ。
チャーム、低級女悪魔だった。
任務で僕が殺した其れが、支配下に入って来た。
怪しむしかないだろう?
まぁ爾来も爾来だね。
僕にチャームを殺せと命じたのは彼奴なのに……
其のチャームが支配下に入ると名乗り現れたのに、表情一つ崩さず面白がって……支配下に入れる。」
やれやれと鎖葉斗は首を振る。
だが、キツい……キツい目で彼は遠くで療養している愚弟を見た。
「記憶の世界には赤月を喰らって入って来てさ。
まぁ彼女には逃げられたみたいだね。」
全て、全て解っているのか、こいつは。
「大当たりだ。
ふふ、では解るだろう?
私とお前、戦ってどちらが勝つか?」
鎖葉斗は赦雨薇唖を撫でながら、呟く様に言った。
「僕に決まってるだろ?」
「大外れだ!!」
衝突し合う二つの力は風を巻き起こす。
抉り出された地面、空に舞う土の塊は、次第に砂埃へと姿を変える。
「ははははは!
やはり魔王の血を挽きし、三片の一人だ。
全知の能力を持ちし、鎖の破片……
貴公の血、さぞかし美味であろうて!!」
シルクハットで顔を隠すと、次は先程の十字架の入れ墨をした男になった。
「大悪魔・ヴェルディをも取り入れたか。
久々に樂しく殺り合えそうだ。
なぁ赦雨薇唖?」
鎖葉斗の問い掛けに、赦雨薇唖は舌なめずりをした。
《クククッッッ。
俺は絶望の悲鳴さえ浴びれれば、其れで良いんだ。
歪む心に恐怖が絡み合う、死への絶望ぅうう……
極上の其れさぇ飲み干せればぁああ、もぅ俺は満足さぁああ。》
自然に笑みが零れた。
凄いね、貴女の前だったら封じ込んでいた感情が甦ってくる。
「美紗っ。」
美紗はキャルナスの背に負ぶさると、三人は森の外へと出て行った。
「白露……
何時から気づいた?」
ルネサンスはキャルナスの魔法から解放された両腕を、ぽきぽきとならす為に動かす。
「茶亜夢が支配下に入って来た頃からさ。
チャーム、低級女悪魔だった。
任務で僕が殺した其れが、支配下に入って来た。
怪しむしかないだろう?
まぁ爾来も爾来だね。
僕にチャームを殺せと命じたのは彼奴なのに……
其のチャームが支配下に入ると名乗り現れたのに、表情一つ崩さず面白がって……支配下に入れる。」
やれやれと鎖葉斗は首を振る。
だが、キツい……キツい目で彼は遠くで療養している愚弟を見た。
「記憶の世界には赤月を喰らって入って来てさ。
まぁ彼女には逃げられたみたいだね。」
全て、全て解っているのか、こいつは。
「大当たりだ。
ふふ、では解るだろう?
私とお前、戦ってどちらが勝つか?」
鎖葉斗は赦雨薇唖を撫でながら、呟く様に言った。
「僕に決まってるだろ?」
「大外れだ!!」
衝突し合う二つの力は風を巻き起こす。
抉り出された地面、空に舞う土の塊は、次第に砂埃へと姿を変える。
「ははははは!
やはり魔王の血を挽きし、三片の一人だ。
全知の能力を持ちし、鎖の破片……
貴公の血、さぞかし美味であろうて!!」
シルクハットで顔を隠すと、次は先程の十字架の入れ墨をした男になった。
「大悪魔・ヴェルディをも取り入れたか。
久々に樂しく殺り合えそうだ。
なぁ赦雨薇唖?」
鎖葉斗の問い掛けに、赦雨薇唖は舌なめずりをした。
《クククッッッ。
俺は絶望の悲鳴さえ浴びれれば、其れで良いんだ。
歪む心に恐怖が絡み合う、死への絶望ぅうう……
極上の其れさぇ飲み干せればぁああ、もぅ俺は満足さぁああ。》