銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
赦雨薇唖の木霊する大声も、鎖葉斗には通じなくなりかけている。
機械的――――
彼には人間としての感受性が全くと言ってよい程、無いに等しいのだ。
人よりも機械に近い彼は、美紗に触れることによって始めて手に入れた感情を、
上手く制御する術を知らない。
《若いなぁぁああ。
鎖の破片よぉぉおお。
好きな女についてからかわれた位で、
熱くなんなよなぁぁああ。》
「うっ、煩いぞ!
鎌架の分際でっ……」
嫌な奴だが、こいつの御蔭で何とか機械的に戻らなくて済んだ。
「逝くよ――――」
ガガガガガガガガ
赦の力とヒューマノイド・リライトが正面激突した。
白の光と黒の闇……混ざり合う異色。
土煙が目に入る。
噎せ返りそうになる、濃い埃。
だがそんなの気にして入られない。
鎌に研ぎ澄ます――――
魔力と気を。
バンバンバンバン
森は暗黙に包まれた。
・
・
・
・
・
・
「兄様はな、白江様が好きなんだ。」
「えぇぇぇえっ!?」
森の出口へと走っていたら、珀月の突然の発言。
キャルナスは叫び、愕くしかなかった。
剰りにも大きな声で叫んでしまったので、
キャルナスの背で眠っている美紗が起きないか心配になったが、
すやすやと小さな寝息をたてて、彼女は寝ていた。
「兄様が恋敵だ。
お前はぜーったい勝てんな。」
珀月はキャルナスに向かって、右手の中指を突き立てた。
一瞬ムスッとしながら珀月を睨むと、キャルナスは和やかな口調で言った。
「私は良いんです、美紗と話したり、こうやっておぶったりするだけで、
十分幸せなんですから。」
気に障ったのか、珀月は額に青筋を立てながら反論した。
「変態、そんな性分だから幸せを逃し続けるんだ莫迦者が。」
機械的――――
彼には人間としての感受性が全くと言ってよい程、無いに等しいのだ。
人よりも機械に近い彼は、美紗に触れることによって始めて手に入れた感情を、
上手く制御する術を知らない。
《若いなぁぁああ。
鎖の破片よぉぉおお。
好きな女についてからかわれた位で、
熱くなんなよなぁぁああ。》
「うっ、煩いぞ!
鎌架の分際でっ……」
嫌な奴だが、こいつの御蔭で何とか機械的に戻らなくて済んだ。
「逝くよ――――」
ガガガガガガガガ
赦の力とヒューマノイド・リライトが正面激突した。
白の光と黒の闇……混ざり合う異色。
土煙が目に入る。
噎せ返りそうになる、濃い埃。
だがそんなの気にして入られない。
鎌に研ぎ澄ます――――
魔力と気を。
バンバンバンバン
森は暗黙に包まれた。
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「兄様はな、白江様が好きなんだ。」
「えぇぇぇえっ!?」
森の出口へと走っていたら、珀月の突然の発言。
キャルナスは叫び、愕くしかなかった。
剰りにも大きな声で叫んでしまったので、
キャルナスの背で眠っている美紗が起きないか心配になったが、
すやすやと小さな寝息をたてて、彼女は寝ていた。
「兄様が恋敵だ。
お前はぜーったい勝てんな。」
珀月はキャルナスに向かって、右手の中指を突き立てた。
一瞬ムスッとしながら珀月を睨むと、キャルナスは和やかな口調で言った。
「私は良いんです、美紗と話したり、こうやっておぶったりするだけで、
十分幸せなんですから。」
気に障ったのか、珀月は額に青筋を立てながら反論した。
「変態、そんな性分だから幸せを逃し続けるんだ莫迦者が。」