銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
次に答えたのは鎖葉斗。

「僕は支配下と呼ばれる代々の支配者に使え、支配者を守る者です。

霧草も支配下ですよ。

で、間口君はと言うと、自ら支配下になってくれたのですよ。」

え……美紗の頭で色々なものが過ぎる。

間口に嫌われてると思ってたのに、間口が自分を守る支配下についてくれた……?

嬉しかったり、不思議だったり、言葉に表せない色々な感情がこみ上げてくる。

「か、勘違いするなよ……俺はただ……」

「言い訳しないっ。」

照れくさそうに俯きながら答える間口の頭を、愛用のサランラップの芯で叩く。

「白江様、間口吾平は特別な人間なんですよ。

支配者や鏡の世界、支配下、なにもかもと関係が無い普通の人間なはずなのに、
魔力を持っているんですよ。」

魔力、またわけのわからない単語が出てきた。

ファンタジー小説や漫画には良く出てくる単語だが。

「魔力はですね、」

見事に心を読まれてしまった。

無知な自分が非常に情けなくて、美紗は軽く溜息をついた。

「代々魔族と呼ばれる妖に流れる力です。

支配者の力と同じ超能力ですねいわば。

強く念じ、体に流れる魔の血を放出させると超能力が使えます。

然し昔やはり魔力を巡りうる戦乱が起きた。」
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