銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「吾平君は半妖なんだ。親の片方がきっと妖なんだと思う。」

鎖葉斗の口から出た、思わぬ発言に驚愕する美紗。

少し哀しかった。

自分の好きな人が半分しか人間じゃなかったからとか、そんなことじゃない。

今それを知った間口の気持ちになると、悲しくてしょうがなかった。

顔も覚えていない親の片方が、化け物だった。

自分も半分人間ではない。

そうしったらどれほどショックなのだろうか……

美紗は思い切って間口の顔を見てみた。

「……いいじゃん。」

間口は笑っていた。

でもそれは泣いているのか笑っているか、判断できない。

しかし間口が明らかに、何かに押しつぶされそうになっているのはわかった。

「人間完璧じゃない。なにかした穴があるんだ。

オレの穴は半分化け物なところ。

普通の人間に無い才能だろう?」

鎖葉斗に問う間口。

「……そうだよ。其れでいいんだ吾平君。」

笑う鎖葉斗。

またあの残酷な笑み、いや違う……

何時もの笑みとは何か違う、温かい物があった。
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