銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「さぁ、大体は説明したよ。他になにかある?」

鎖葉斗は一回大きく欠伸をすると、横になった。

「支配下は、此処にいる三人だけ?」

「いいや、まだ後……十人はいるよ。

きっと此れから接触する筈だ、ま、彼等のほとんどは敵だろうね。」

「ぇ」

支配者の支配下。自分の部下のはず。

なのに……敵?訳が解らない。

「支配下は唯一支配者の超能力を受け付けないんだ。

だから支配者が何かを望んでも、支配下は支配拒絶魔法を唱えれば無効化する。

支配下は支配者の部下にして、監視役みたいなものだね。

で、何故敵かというと、殆どの支配下は皆前代の支配者派なんだ。」

前代……?どういう事だ?

「さっき話した“あちらの世界にいる支配者”は

要するに前代の支配者なんだ。

しかし前代の支配者は能力を使いすぎて、身も心もズタズタになっちゃってね。

休養のために一度白江様、貴女に此の能力を押し付け、預からせてる訳だよ。

だが、勿論まだ前代は休養途中でこの能力を押し返しても拒否するだろうね。

もしかしたら戦いにもなるかもしれない。

つまり、僕達は前代の支配者の敵=前代の支配者派の支配下も敵。わかった?」
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