銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
鎖葉斗の後ろから男が一人出て来た。

20代前半あたりの男は金色の長髪をストレートにしていた。

赤い美しい瞳、睫がとても長い、少女顔。

青い英国映画に出てきそうな貴族風の服には、金色の線が刺繍されている。

手には黒い革手袋、足には同じく黒いブーツ。

見ている方が暑くなりそうな厚着だが、
白すぎる肌のこの男が着ると、そうは感じさせない。

鳥肌がたつような美しさ、彼は其れを兼ね備えていた。

「初めましてだね。キャルナス・シャルドネだ。

めちるの親代わりで、No.5・飾雨の称号をもらってます。

どうぞ宜しく。」

淡々と早口で語るキャルナス。

少しめちると喋り方が似ているからには、親代わりというのは本当なのだろう。

「宜しくお願いします!」
「宜しく……お願いします。」

勢いよく挨拶する美紗と、ぎこちなく挨拶する間口。

「貴女が、白江 美紗様……

鎖葉斗に聞いた通りの人だ。」

キャルナスは外見の通り欧州育ちなのか、聞き取りづらい英語雑じりの言葉で、
どんどん語りかけてくる。

しかし美紗には理解不能。

英語は美紗の苦手教科ランキングではニ位に位置するのだ。
(ちなみに一位は美術。)
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