銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
情けないことを颯爽と平然に語るキャルナス。

いや、平然でもない。

後ろにフライパンを力強く握っためちるが待機している為、少し顔が引きつっている。

「なんでキャルナスはその七瀬さんに嫌われてるの?」

鎖葉斗にボソッと聞く美紗。

「簡単なことです。キャルナスのオヤジギャグが寒いからです。」

は? オヤジギャグ?

「人聞きが悪いですね鎖葉斗。

私は日本のお笑いが好きでね。

知人から良いダジャレを仕入れる度に、お笑い好きの香に披露してたんだが、
何故か彼女の気を悪くしてしまったんだよ。」

深いため息をつくキャルナス。

いやこっちがため息つきたいよ。

「どんなダジャレなんだ?言ってみろよ?」

間口が問いかける。だがキャルナスは完全無視。

「どんなダジャレなんです?言ってみてください。」

「ええ!!」

ところが美紗になると一変してテンションを上げる。

「ちょ、待てよテメー!
なんかさっきから俺ばっかり完全無視じゃねーか!!」

ついにぶちぎれた
間口 吾平、市立世臨中学校、二年五組出席番号三十四番。

「率直に言いますけど、私なんか貴方嫌いです。」


ガガーン


間口の頭に雷が落ちた。
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