銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「武力は体術に主に使われます。

天力は半魔力といった所でしょうかね。

魔力がある者は回復魔法と攻撃魔法の二つを使えるんですが、
天力の場合は回復系魔法のみしか使えないんですね。

悪力はその反対で、攻撃系魔法のみしか使えない。

魔力は説明した通りで全種類の魔法を使いこなせます。

最後は貴女の支配力。

全ての能力の上をゆく超能力。

其れを極めし者は世界に一人のみ。

其の名を支配者。

此の世界を司る、神との対。

白江様、貴女なのですよ。」


トクン トクン


美紗の心臓が高鳴る。

此れからの戦乱、恐ろしい筈だ……なのに何故か美紗の中では期待の念の方が凄い。

心の何処かで、何かを求めていた自分。

念願のきっかけを手に入れた。

時は変わる。

世界が変わる。

「……でもあたしは人間だから、支配力じゃなくて、武力なんじゃないの?」

美紗の質問に鎖葉斗は答えずらそうに言った。


「まだ僕にはよく解りませんが……もしかしたら白江様は……」

《清水原ーお出口は右側です》

鎖葉斗の言葉は電車のアナウンスにより遮られた。

「……降りましょう。キャルナス、めちる。」

「おおっ!もう清水原ですか!!」

弁当を放置し降りようとするキャルナスの頭を、
自慢のフライパンでぶっ潰すめちる。

泣きながら弁当を片付けるキャルナス。

出会って短時間なのに、もう見慣れた光景と化している。
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