銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「出来ますか、吾平君。」

鎖葉斗に呼ばれた間口は、結界の前に立つと、左手の薬指を向けた。

『向上鬼神の弾・ガリネス』

間口がそう唱えると、右手の人差し指が蒼白色に光りだした。


バンッ


弾が撃たれる音と共に、光は空中の中に入り込む。


ガラッ


何かが崩れるような音がした。






「結界が破かれましたね。」

新羅神社内にいる3人の人間。

其の中の一人、“傀儡師・ウィオ”が結界を破壊された事を悟った。

「ウィオ、私が行きます。

少々、白江 美紗達を侮っていたみたいです。」

立ち上がった黒髪の御子・新羅 澄江(しらぎ すみえ)が、
机の上にある日本刀を取る。

「気をつけてくださいね。」

ウィオの言葉を背に、澄江は美紗たちの元へ歩み始めた。


ギシャアアァァッ


「な、なに!?」

社へ続く森に入った美紗たちだが、突如現れた化け物たちに道を塞がれた。

「異世界からの召喚獣ですね。

此の種の召喚獣は、きっと魔界からの召喚獣です。」

狼の様な形状をした召喚獣だが、牙はかなり鋭く、噛まれたら一溜まりもなさそうだった。

「皆様はお先に進んでください。

ここら一体の化け物はあたしが。」

名乗りをあげたのはめちる。

「任せた。」

颯爽とめちるに場を任せ、駆け抜けるのはキャルナス。
< 56 / 197 >

この作品をシェア

pagetop