銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「!! 来たようだぜ。」

間口が睨む方を見てみると、御子服をきた黒髪の女が立っている。

「新羅 澄江、其処をどいてくれないか。」

立ちはだかる女・新羅 澄江に剣を向けるわ真帆、いや、霧草 忍だ。

「ジャス、ミン。」

忍を無視して何者かに声をかける澄江。

現れたのは紫の肌をした双子の男の子と女の子。

男の子が青い着物、女の子が赤い着物を着ている。

腰には身の丈程の日本刀。

「悪鬼(あき)を召喚したのかい。

悪界からの召喚はリスクが大きいのを承知か澄江。」

キャルナスは溜息をつくと、余裕の表情で澄江と双子を見る。

〈若い様なのによくわかっているのぉ。儂の名はジャス。〉

青い着物の男の子・ジャスがニヤリと笑う。

〈お利口なお坊ちゃんねぇ。澄江、儂に此の小生意気なお坊ちゃんを殺らせてくれ。〉

ジャスと同じ笑みを浮かべる赤い着物の女の子。

「ミン、殺してはいけません。鏡界の死刑台まで連れていくのです。」

ミンという赤い着物の悪鬼に命じる澄江。

澄江の目は鋭く、美紗はその目に震えた。

「ご指名ありがとう。キャルナス・シャルドネだ、宜しく。

邪魔になるからあっちで殺ろうか?」

ミンは頷くと、木から木へ飛び乗り、消えてしまった。

キャルナスに頑張ってと一言残そうとしたが、
気づくともうキャルナスは消えていた。

「澄江、長年の決着つけましょうよ?」

新羅 澄江の前に立ち向かうは、霧草 忍。

「ふふ、良いでしょう。其の自信をすぐさま、
絶望の褐色へと塗り変えさせて頂きます。」
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