銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
自分たちの戦の場へと消える、忍と澄江。

「じゃあ俺がアイツを……」

ジャスとの戦に名乗りをあげるのは間口 吾平。

「駄目です、あなたの実力では悪鬼は倒せない。

なので白江様を連れて、神社内に入り、蒼の鍵を取ってきてください。」

鎖葉斗がジャスへと剣を向けると同時に、美鎖と間口は走り出した。






《魔遊・蓮花》

赤い血塗れのオカリナを華麗に吹くは、ミン。

「魔遊、悪界の中級悪魔・悪鬼が使う、独自の魔法。

代々伝わる笛から発せられる音色による、精神破壊等が主な能力だ。」

ミンを余裕の表情で見るキャルナス。

そんなキャルナスに拍手するミン。

《よく言えたのぉ。じゃがわしのはあんなダッサイ笛じゃない。

エリート悪鬼にしか使えない、特注の楽器じゃ。》

確かにミンの使っている楽器は笛じゃない、血塗れのオカリナ。

《さぁ見よ、選ばれし悪鬼にしか使えない秘術を。》






「白露 鎖葉斗だ、よろしくね。」

剣をジャスに向けるは鎖葉斗。

《ほほぉ、お主が白露 鎖葉斗か、新王の。

こりゃあお主の首を取りゃぁ、》

言いかけると同時に鎖葉斗の後ろに回るジャス。

《名誉のこったのお!》

「!!」






「澄江、覚えてる?あなたが私と椿に稽古つけてくれてた頃。」

忍の問いに答えず、只管、忍の隙を探す澄江。

「あの頃の貴女は、輝いてた。なのに今は支配者になる為だけの欲しかないのね、」
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