銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
無限の刃光は地面に勢い良く降り注いだ。


ズザザザザザザザザ


地は、血塗れと化す。


「……申し訳ございません……」

涙月により切り裂かれた澄江は、誰かに許しを請う。

「澄江、喋るな。良いだろう支配者の能力等……

今回の戦乱によりきっと・・・きっと支配者の能力は消えるだろう……

そう、美紗が、美紗が・・・・・・」

澄江の顔は、一瞬だけ歪むと、

「爾来様……あなたに少しでも近づきたかった。」

微笑み、目を瞑った。

「……澄江、もう絶対に関わるなよ、此の支配者の世界と。」

澄江を背負うと、忍は歩き始めた。






《そんな事が……》


バタッ


倒れたのはジャス、ミン。

両方だった。

数秒前。

オカリナを吹こうとするミン。

しかしキャルナスは赦さなかった。

「レイン・ド・ダーク」

一言キャルナスが言い放つ。

薄闇がかる空から注ぐのは、漆黒の雨。

《何だこの雨……は……》

ミンの身体が見る見る内に溶けていく。

《そんな事が……》
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