銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
鎖葉斗に襲い掛かろうとするジャス。

鎖葉斗は愛用のサランラップ……じゃなくて、ナイフを取り出し、
華麗な身のこなしでジャスを受け流す。

右足を軸に回転し、ジャスの腹部を切り裂く。

《ガッ》

倒れこむジャス、だが鎖葉斗はまだ引かない。

更にナイフで切り裂き続ける。

《やめてくれ!!もうなにもしない、しないから……》

「赦しを請うのはまだ負けを認めてないからだ。」

笑う鎖葉斗はやはり悪魔。

いや、悪魔ですらこの男には恐怖する。

見る見る崩れるジャス。

死を垣間見た者、絶望した者だけが味わう壮絶感。

《そんなことが……》






あっと言う間に、澄江、ジャス、ミンを倒しのけた三人は合流し、
美紗たちの元へ向かう。

決してこの三人が弱かったわけではない。

白露 鎖葉斗、霧草 忍、キャルナス・シャルドネ、
対する三人が強すぎただけなのだ。






場所は変わって新羅神社内。

間口は美紗を護りながら、ゆっくり慎重に、内部へと進んでいく。

「あ、あった! あれだよな蒼の鍵って!!」

祭壇の前に飾ってある鍵には、蒼い珠がついている。

蒼の鍵らしき鍵を間口は取り、美紗に見せる。

「……きっとこれだ……すごい力を感じる。」

「力?魔力だったら感じねーぞ?」

「違うよ、支配力だよ。」

「!!」

間口の問いに答えたのは美紗ではなかった。
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