銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「……はははははハ!!ボクが負ける訳が無い!!
ましてやこんな、こんな一ランク下のお前なんかに!」
ウィオは気が狂ったかのように笑う。
美紗は此のおかしい少年を、ただ影から見つめる。
当の七瀬は、凍りついた炎を宿した瞳で、ウィオを見やった。
「さようなら七瀬!!」
ザン
「……そんな……」
七瀬の持っていたナイフで自らの首を斬ると、ウィオは倒れた。
肌が凍りついていくのが解る。
死んでゆく、ウィオは土へと還って行く。
目を大きく見開いた間々、少年は死んだ。
此の少年の居る辺りだけが、まるで時が止まったみたいだった。
バタッ
初めて見た人の死の瞬間に、思わず倒れた君主を、七瀬は静かに受け止めた。
・
・
・
・
・
・
「皿、お前……なんでそこまで人になりたい?」
美紗達と少し離れた処で、お互いの隙を探しあう間口と皿。
「こんな傀儡の姿……醜いだろう?」
傀儡……一体なんのことだ?
「俺はウィオ様に作られた傀儡だった。」
「なんだと?」
皿は右手を間口に翳す。
右手には星印の刻印が彫り込まれている。
「此れはウィオ様が作った傀儡の証なんだよ。」
昔の間口だったら……昔、いや数日前の間口だったら信じなかった。
そんな夢物語。
だけど自分が半妖だったのだから、皿が傀儡というのも信じられる。
実際あんな機械仕掛けの腕を見せられたんだから。
「でも俺を殺したら人間になれるってのは?」
「お前の躰を乗っ取るんだよ!!」
「!!」
隙を見られた。
間口の背後に回り、皿は五言絶句を唱えようとする。
「三言 芭蕉」
どんな花が来るか……
間口の考えとは逆に、現れたのは緑色の髪の女。
其のまま芭蕉の花を思わせる、深緑色の……美しく邪悪な魔女。
ましてやこんな、こんな一ランク下のお前なんかに!」
ウィオは気が狂ったかのように笑う。
美紗は此のおかしい少年を、ただ影から見つめる。
当の七瀬は、凍りついた炎を宿した瞳で、ウィオを見やった。
「さようなら七瀬!!」
ザン
「……そんな……」
七瀬の持っていたナイフで自らの首を斬ると、ウィオは倒れた。
肌が凍りついていくのが解る。
死んでゆく、ウィオは土へと還って行く。
目を大きく見開いた間々、少年は死んだ。
此の少年の居る辺りだけが、まるで時が止まったみたいだった。
バタッ
初めて見た人の死の瞬間に、思わず倒れた君主を、七瀬は静かに受け止めた。
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「皿、お前……なんでそこまで人になりたい?」
美紗達と少し離れた処で、お互いの隙を探しあう間口と皿。
「こんな傀儡の姿……醜いだろう?」
傀儡……一体なんのことだ?
「俺はウィオ様に作られた傀儡だった。」
「なんだと?」
皿は右手を間口に翳す。
右手には星印の刻印が彫り込まれている。
「此れはウィオ様が作った傀儡の証なんだよ。」
昔の間口だったら……昔、いや数日前の間口だったら信じなかった。
そんな夢物語。
だけど自分が半妖だったのだから、皿が傀儡というのも信じられる。
実際あんな機械仕掛けの腕を見せられたんだから。
「でも俺を殺したら人間になれるってのは?」
「お前の躰を乗っ取るんだよ!!」
「!!」
隙を見られた。
間口の背後に回り、皿は五言絶句を唱えようとする。
「三言 芭蕉」
どんな花が来るか……
間口の考えとは逆に、現れたのは緑色の髪の女。
其のまま芭蕉の花を思わせる、深緑色の……美しく邪悪な魔女。