銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
鏡界/支配下・定
此の世は主に五つの世界から成っている。

人間が住む、人間界。

天使が住む、天界。

悪魔が住む、悪界。

魔族が住む、魔界。

そして、支配者の拠点の支配界こと、鏡界。






「はぁーあ。」

「どったのー!りおりおーっ!」

俺こと、独楽 裡音の後ろに忽然と現れたのは、
№8 鬼雀の黒無化 まこ(くろむか まこ)。

今オレは鏡界最大の都、万華鏡の図書館で、
歴代の支配者や支配下、支配人について調べていた。

「なんの絵本読んでんでちゅかー?」

「子供扱いすんな!」

まこは容姿はめっちゃ幼い。

大体140㎝位の、黒目がくりくりしていて可愛いお子様。

桃色の髪をふんわりさせていて、黒い猫耳フードの服を着ている。

そんな奴だが俺より年上。

二十二年前、俺がまだ七歳で鏡界に来たときから、
ずっとこの容姿で№8を保っている。

「うにぃー……ごめんよぉりおりおー。むむ? お勉強?」

あーっくしょ。餓鬼は嫌いなんだよ(子供じゃないけど)

まこが俺が読んでる教書に顔突っ込んできた。

駄目だ。今日自覚した。俺餓鬼アレルギーだ。

鳥肌がたってきて、むずむずしやがる。

「そうだよ、ほらあっち行ってろ。」

「……新しい支配者・白江 美紗が気になる?」

「なっ!」

こいつ。オレの心を読んでやがったよ。

人を莫迦にして遊んでるみたいな顔しやがって……

本当にムカつくけど実力は認める。

№8なんかに居座ってるけど、こいつは全然そんな器じゃない。

キャルナス位の力はある筈だ。

最も、白江 美紗を気にも留めずに、
爾来の為……いや、自分の欲に忠実に動き回ってる奴等よりは全然、筋が通ってる。
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