銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「何を言ってるんだ?
あんたが万里を殺したのに?
俺は此の眼で見たんだよ! あんたが、あんたが逃げる万里の背を、
躊躇いもなく刺す所を!」
・
・
・
・
・
・
『嫌……来ないで! 私は死ぬわけにはいかないの!
爾来様をお護りしなければ……!』
『……駄目だよ。』
『!!』
・
・
・
・
・
・
「こうしてお前は、万里が何年も努力して、
勝ち取ったNo.2の親王の称号を、一瞬にして奪い去ったんだ!」
止められなかった。
今までぶつけられようの無かった此の想いを。
“仕方が無かったんだ、彼女を殺めたのは。 今に解るよ。”
仕方が……無かった?
“親王の称号が欲しかったわけではないんだ。
支配下に入れれば良かった。
だったらわけなく、
彼女の様な出来た人間を態々、殺めるわけがないだろう?
理由があったんだよ。”
理由だと?
莫迦な……
万里に限って、殺される理由が有る訳がない。
“知りたいだろう真実を?
だから其れを条件で、僕の頼みを聞いて欲しい。”
頼み……?
どうせこいつの頼みなんて禄な事じゃないだろう。
“支配下・定を作って欲しい。”
支配下……じょう?
“どうせ黒無化や、瀬木夏たちは、
爾来の支配下・灯に入るか、
白江様の支配下・蔭に入るか、
迷っているのだろう?
そこで、支配下・定が出てくる。
支配下・定は名の通り、灯と蔭を見定める者。
支配下の総監視班みたいな者だね。
独楽にはその班長になってもらいたい。”
何故だ?
こいつの本質が読めない。
何故そんな面倒くさいものを作る必要があるんだろう?
でも絶好の機会かもしれない。
これでいかに白露が嫌な奴か、皆に証明できる。
「解った。 引き受けようじゃないか。」
“有難う、では検討を祈るよ。”
ピーピー
電話が切れた時、俺はもうこれからどうやって万里の仇をとるか、
其の事ばかり考えていた。
あんたが万里を殺したのに?
俺は此の眼で見たんだよ! あんたが、あんたが逃げる万里の背を、
躊躇いもなく刺す所を!」
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『嫌……来ないで! 私は死ぬわけにはいかないの!
爾来様をお護りしなければ……!』
『……駄目だよ。』
『!!』
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「こうしてお前は、万里が何年も努力して、
勝ち取ったNo.2の親王の称号を、一瞬にして奪い去ったんだ!」
止められなかった。
今までぶつけられようの無かった此の想いを。
“仕方が無かったんだ、彼女を殺めたのは。 今に解るよ。”
仕方が……無かった?
“親王の称号が欲しかったわけではないんだ。
支配下に入れれば良かった。
だったらわけなく、
彼女の様な出来た人間を態々、殺めるわけがないだろう?
理由があったんだよ。”
理由だと?
莫迦な……
万里に限って、殺される理由が有る訳がない。
“知りたいだろう真実を?
だから其れを条件で、僕の頼みを聞いて欲しい。”
頼み……?
どうせこいつの頼みなんて禄な事じゃないだろう。
“支配下・定を作って欲しい。”
支配下……じょう?
“どうせ黒無化や、瀬木夏たちは、
爾来の支配下・灯に入るか、
白江様の支配下・蔭に入るか、
迷っているのだろう?
そこで、支配下・定が出てくる。
支配下・定は名の通り、灯と蔭を見定める者。
支配下の総監視班みたいな者だね。
独楽にはその班長になってもらいたい。”
何故だ?
こいつの本質が読めない。
何故そんな面倒くさいものを作る必要があるんだろう?
でも絶好の機会かもしれない。
これでいかに白露が嫌な奴か、皆に証明できる。
「解った。 引き受けようじゃないか。」
“有難う、では検討を祈るよ。”
ピーピー
電話が切れた時、俺はもうこれからどうやって万里の仇をとるか、
其の事ばかり考えていた。