銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
「忍……助けて……」
え……
「辛いんだ……人を斬るのも殺めるのも……霧草宴なんて消えてしまえばいいんだ。」
目の前をなんの曇りも無く、只ひたすら歩んでいた椿は、しゃがみこみ、泣き倒れた。
「つば……」
椿に駆け寄ろうとした瞬間、周りの風景が歪みだし、崩れだす。
「椿ーーーー!」
私は精一杯椿に手を伸ばした。
けどね、届かなかったんだ。
・
・
・
・
・
・
「つ……ばき」
「速かったなぁ、霧草殿。」
除き込んで来たのはクリクリした瞳の少女。
曼陀羅だ。
「鎖葉斗も戻って来ていないのにのぉ。一番じゃよ。」
のんびりお茶を飲む曼陀羅。
駄菓子店の茶室に戻ってきたみたいだ。
「椿は何を求めてるの……
解らない……私には解らないよ曼陀羅……」
私の問いに曼陀羅は首を横に振る。
一杯お茶を飲むと、口を開いた。
「彼奴の求めてるもの、それは自分の居所じゃろう。」
居所……
椿は霧草宴の当主だった。
皆から慕われ、人望に溢れていた。
私は少なくても、あそこが私たちの居場所だと思ってたのに。
椿は違ったの……?
「哀しいのはわかる。
だが嘆く前にやる事があるじゃろう。
泣いていいのは全てを成し遂げた時じゃ。」
「……うん。」
私たちは、太陽の下。
此処の蒼月は静か。
あなたは星屑の涙。
え……
「辛いんだ……人を斬るのも殺めるのも……霧草宴なんて消えてしまえばいいんだ。」
目の前をなんの曇りも無く、只ひたすら歩んでいた椿は、しゃがみこみ、泣き倒れた。
「つば……」
椿に駆け寄ろうとした瞬間、周りの風景が歪みだし、崩れだす。
「椿ーーーー!」
私は精一杯椿に手を伸ばした。
けどね、届かなかったんだ。
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「つ……ばき」
「速かったなぁ、霧草殿。」
除き込んで来たのはクリクリした瞳の少女。
曼陀羅だ。
「鎖葉斗も戻って来ていないのにのぉ。一番じゃよ。」
のんびりお茶を飲む曼陀羅。
駄菓子店の茶室に戻ってきたみたいだ。
「椿は何を求めてるの……
解らない……私には解らないよ曼陀羅……」
私の問いに曼陀羅は首を横に振る。
一杯お茶を飲むと、口を開いた。
「彼奴の求めてるもの、それは自分の居所じゃろう。」
居所……
椿は霧草宴の当主だった。
皆から慕われ、人望に溢れていた。
私は少なくても、あそこが私たちの居場所だと思ってたのに。
椿は違ったの……?
「哀しいのはわかる。
だが嘆く前にやる事があるじゃろう。
泣いていいのは全てを成し遂げた時じゃ。」
「……うん。」
私たちは、太陽の下。
此処の蒼月は静か。
あなたは星屑の涙。