あんたでいいや｡

……♪

いきなり、携帯が鳴った。


画面には
ナオの文字映っていた



｢…レン…｣

｢俺のことは気にしないで｣

｢え……｣

｢出てあげなよ｡
俺は帰るから…｣


レン

本当にごめん



｢じゃーね､アキ!
大好きだからね!!｣


｢レ…レン…。｣


そんな風に言われたら…

苦しいよ…



………



｢ごめん､急に…｣


｢ううん､いいの
ナオに会いたかったし…｣


｢……｣


｢ねえ
話って何？｣


｢……ごめん､｣


｢……え？｣


何か

嫌な予感がする



｢…マミがさあ…
妊娠したんだ。｣



は？
何？



｢何それ｣


｢だから…
俺ら
こういうのやめない？｣


は？
何言ってんの ナオ



｢や…やだっ
別れたくない…｣


｢…ごめん
お願い｣


｢何それっ…
あたし…
何か惨めじゃん…!!｣


｢ごめん｣


ナオ

言葉に

全く気持ちがこもってないよ



｢やだっ…
あたしにはっ
ナオしかいないの…っ｣



やだよ ナオ

どうして？


あんなに

愛してくれたのに…



｢ごめん､
俺は何もしてやれないよ｣






｢やだ…ナオっ｣

｢じゃあ…俺帰るよ
家も引っ越すし、
携帯も変えるから｣



｢……っ｣



…ナオっ

行かないで…っ





パタン


あたしの願いは

届かなかった。

ドアは

静かに閉まった。