夢の中で
「のぶ~」

ドクンッ
胸が高鳴った。
名前を聞いただけなのに…。

「なんじゃあ??」

ドクンッ
さっきより高鳴る胸。
声を聞いただけなのに…。
そして私は後ろを振り返る。

「やっぱりいた…」

誰にも聞こえないような小さな声で言った。

私の見た先には大好きな七塚先輩がいた。

大きくもなく小さくもない綺麗に澄んだ瞳。
170㎝はある高い身長。
身長が150㎝しかない私にはとても高く見えた。
そして誰にでも優しくて、憎めない性格。

全部全部大好きなんだ。
だけど先輩には超ラブラブな彼女がいる。
その人にはこんな私が適わない…そんな事はわかっている。
だけど大好きなんだ。

「ゆ~うッ!!」

ドンッ

「痛いなあ…凛のばかッ!!」

私の背中を力強く叩いたのは心友の凛だった。

先輩に出会えたのも凛と亮太さんのおかげ。
だから、2人は私が先輩を好きだって知ってる。
てか言わなきゃだめだと思うしね。

「わあ!!あっちに亮太とのぶさんいるじゃんッ!!行って来ようかあ♪」

凛は私の意見を聞く前に私の腕を引っ張って先輩の前まで連れて行った。

「亮太~!!」

ブンブンと私と腕を組んでいる逆の手で亮太さんに手を振る。
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