ダーク&ノイズ
*
月のない夜だった。
鬱蒼と茂る森の中にある小さな神社。
その裏には樹齢にして何千年も経たような大木があった。
幹は年輪を感じさせるように大きくうねり、岩のようにゴツゴツと粗い突起がいくつもある。
その大きな胴にはしめ縄が巻かれ、それと共に貼り付けられた何十枚というお札──
一見して神木だと分かるものだった。
その物々しい胴回りから目を落とすと、今度は大地に大きく張った根が蛸の足のように盛り上がり、張り巡らされている。
そして、その根と根の間に一つの洞穴があった。
小さいが、人が入れるほどの穴だ。
コオーン……コオーン……
音が闇夜に漏れてくる。
その穴の中から──
コオーン……コオーン……
もう何百年も昔の話、そんな音が聞こえていたことがあったという。
鬱蒼と茂る森の中にある小さな神社。
その裏には樹齢にして何千年も経たような大木があった。
幹は年輪を感じさせるように大きくうねり、岩のようにゴツゴツと粗い突起がいくつもある。
その大きな胴にはしめ縄が巻かれ、それと共に貼り付けられた何十枚というお札──
一見して神木だと分かるものだった。
その物々しい胴回りから目を落とすと、今度は大地に大きく張った根が蛸の足のように盛り上がり、張り巡らされている。
そして、その根と根の間に一つの洞穴があった。
小さいが、人が入れるほどの穴だ。
コオーン……コオーン……
音が闇夜に漏れてくる。
その穴の中から──
コオーン……コオーン……
もう何百年も昔の話、そんな音が聞こえていたことがあったという。