ダーク&ノイズ
小さな公園のベンチに座っていた琢己は、肩に射しかけた日差しを避けるように座る位置を変えて、藤棚の下に移動した。
そして、さっきから覗いていた時計をまたもや確認する。
(もう三時──)
裕子と待ち合わせをしたのは二時だ。
その失ってゆく時間に、琢己は焦りにも似た不安を抑えられないでいた。
携帯を取り出し、もう何度目か分からないメールのチェックをすると、ため息をついてそれをポケットに押し込む。
その時、入り口に向けていた目が女子高の制服を映しこんだ。
(来た!)
ほっとしたのもつかの間、それは裕子ではなく悠美であることに気づき、琢己は愕然とした。
(どうしてこんなトコに……)
咄嗟に状況を判断できない琢己は、近づいてくる悠美に狼狽を隠せない。
それを見透かしたように、落ち着いた足取りで目の前に立った悠美は、意外なことに表情を崩して気弱な声を出した。
「昨日は……ごめんね」
「え、ああ……でもどうして……」
琢己の問いかけの先を制して、悠美の弁解は後悔の色から始まった。
そして、さっきから覗いていた時計をまたもや確認する。
(もう三時──)
裕子と待ち合わせをしたのは二時だ。
その失ってゆく時間に、琢己は焦りにも似た不安を抑えられないでいた。
携帯を取り出し、もう何度目か分からないメールのチェックをすると、ため息をついてそれをポケットに押し込む。
その時、入り口に向けていた目が女子高の制服を映しこんだ。
(来た!)
ほっとしたのもつかの間、それは裕子ではなく悠美であることに気づき、琢己は愕然とした。
(どうしてこんなトコに……)
咄嗟に状況を判断できない琢己は、近づいてくる悠美に狼狽を隠せない。
それを見透かしたように、落ち着いた足取りで目の前に立った悠美は、意外なことに表情を崩して気弱な声を出した。
「昨日は……ごめんね」
「え、ああ……でもどうして……」
琢己の問いかけの先を制して、悠美の弁解は後悔の色から始まった。