ダーク&ノイズ
署内は五人の逮捕者を迎えて、やや騒然としていた。

まずは昨夜の事件との関連性を暴かなくてはならないが、男らはのらりくらりとしか返事を返さず、ふてぶてしい態度を崩さない。


進藤はその相手をしながら、焦りに似た感覚を味わっていた。

(これで終わるわけじゃない)

その念が強く頭をとらえているのだ。

「シラを切りとおせると思うなよ」

焦りが尋問を雑にさせていた。

「だーかーらー、昨日のことなんて知らねってんだろ。フラフラ街に出て遊んでただけだって」

「じゃあどこに行ったか分かるだろ」

「わーかーりーまーせーん」

半まなこでおどけてみせる男を前に、進藤の我慢が切れた。

「ちょ、こいつら他の人に調書とってもらっていいですか?」

たまらず進藤は、通りかかった課長をつかまえてそういった。

「このままじゃ、まだ死人が増えるんです」

その言葉に怪訝な顔を見せた課長は、その言葉をしりぞける。

「あのな、殺人事件に発展する可能性が高いんだぞ」

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