ダーク&ノイズ
のぞみは強い口調でそれを否定した。

「それじゃ何にもならないんだって。呪いなんだから!」

「たとえそれがそうだとしてもだ、警察にはそうするしかないんだよ」

「話になんない。真知子がいなくなったんだったら、もうあたしたち帰っていいんだよね」

川田にはそれを止める権利は無い。

「だから警察って嫌いなんだよ。偉そうなだけで役に立たねえし」

取調室をあとにしながら、最後にのぞみは捨てセリフを吐いた。

(誰のためにやってると思ってんだ!)

たかが女子高生に、という思いで、川田は机を下から蹴り上げた。



「あれ、あの三人はどうしたんですか?」

そんな荒れる川田は、進藤の言葉で我にかえった。

「いや、それがな……帰っちまった」

「はぁ? 何してんですか」

思わず進藤はそう漏らしていた。

「川田さんも気づいてるんじゃないんですか?」

「わかってるよ。だがな、そんなオカルトで警察が動けるか」

呪いなどまったく信じていなかった川田の心境の変化に、進藤は逮捕現場での川田の質問を思い出した。

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