ダーク&ノイズ
悠美たちは帰り道を急ぎながら、今後のことを相談していた。

「ねえ、誰が呪ったと思う?」

のぞみはそれが気になってしかたがなかった。

「吉川とか、町田とか……」

指を数えるようにして沙理奈が名前を挙げるなか、

「絶対木下だよ」

と、断言するように悠美が言った。

「え、昨日はだって……」

沙理奈の記憶では、その名前をまっさきに否定したのは悠美だったはずだ。

確かに昨日まではそうだった。が、


(いまは違うのよ)


悠美は呪いを自分に向けるのは、木下裕子以外いないと確信している。それほど自身も彼女へ対する憎悪が強いのだ。

「木下ん家知ってる?」

悠美は首根っこを押さえてやろうと考えていた。

「知んないよ。中学一緒だったやつに聞いたらわかると思うけど……」

答えながら、紗理奈は嫌な予感がして口ごもった。

「行こうよ、木下ん家」

悠美の目が異様に据わっている。

まるで


(昼間みた真知子みたい)


と、紗理奈は背筋が寒くなった。

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