ダーク&ノイズ
目的の部屋に近づいたカラオケ店の店員の耳に、その悲鳴は飛び込んできた。
防音ドアに遮られている上に、マイクを通してない声は、それほどの騒音とは思われない。
たんにアップテンポの曲を歌っているだけのように思えた。
(フツーに唄ってんじゃん)
妙な期待をした店員は肩を落としたが、それでもフィルムを貼ったガラス窓から中を覗いてみた。
部屋の隅で、耳をふさいで目をつむっている沙理奈の姿が見える。そして、手前に床に腰を落としたのぞみが、目を見開いて口をあけていた。
(なにしてんだ?)
店員がさらに中を探ろうと顔を近づけた瞬間、のぞみの姿が消えた。
いや、正確には飛んだように見えた。
(ええ!)
あわててその方向に目を向ける。
脚が見えた。その脚がテレビモニターから突き出ている。
防音ドアに遮られている上に、マイクを通してない声は、それほどの騒音とは思われない。
たんにアップテンポの曲を歌っているだけのように思えた。
(フツーに唄ってんじゃん)
妙な期待をした店員は肩を落としたが、それでもフィルムを貼ったガラス窓から中を覗いてみた。
部屋の隅で、耳をふさいで目をつむっている沙理奈の姿が見える。そして、手前に床に腰を落としたのぞみが、目を見開いて口をあけていた。
(なにしてんだ?)
店員がさらに中を探ろうと顔を近づけた瞬間、のぞみの姿が消えた。
いや、正確には飛んだように見えた。
(ええ!)
あわててその方向に目を向ける。
脚が見えた。その脚がテレビモニターから突き出ている。