ダーク&ノイズ
「至急捜索願いが出されているご両親に確認してもらい、高崎正樹とその他四人を絞りあげるぞ」

その命令を下したあと、ひとりの署員に荒らげた声をあげた。

「川田と進藤にはまだ連絡つかんのか!」

「はい、まだなにも」

「何やってんだ、まったく」

宇野は、最後に聞いた進藤の言葉を思い出していた。


『殺人より恐ろしいことが起こってるかも知れない』


確かにそう言った。

だが、現実には三人の被害者を発見したことによって、この事件は解決を見るだろう。

(どういう意味だ)

進藤は若いが有能な部下だ。宇野の経験が、妙な胸騒ぎを感じ取っていた。


黙考しているなかで、その報せは飛び込んできた。

「真下のぞみがカラオケ店で消えたそうです!」

その名前は、今回の殺人事件に関わっていると思われる冬野真知子と繋がっている。

(川田たちは、何を追っていたんだ)

事件の核心が微妙にぶれてきた。

「川田と進藤を早く引っ張ってこい!」

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