ダーク&ノイズ
事件の核心に迫っているのはあのふたり以外にいない。焦りを含んだ声で、宇野は若い署員に命令をくだした。

「あの、課長……」

刑事課のドアから署員が顔をのぞかせていた。

「今度は何だ」

苦みばしった顔の宇野は、その署員をにらみつけた。

「あの、谷川悠美が、川で溺れているところを救助されました」

「なんだと」

すべての出来事が関連している。宇野は額から流れる汗を感じて、ハンカチでそれをふき取った。

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