ダーク&ノイズ
その思考に陥ると、一瞬で頭から血の気が引いた。


今まで見てきた彼女らの行いがどのようなものか嫌というほど知っている。それが起こるきっかけがどれほど些細なことかも知っていた。


理由などあってないようなものだ。

(ウソ、なんで……)

裕子と琢己の件が絡んでいるのは間違いないと察すると、その後の対応に間違いがなかったか確認してゆく。そしてひとつの事に思い至った。

『希里たちが勝手にやってたの』

確かに琢己にそう言って自分を擁護したのだ。


もしそのことが希里たちの耳に入ったとしたら考えられないことはない。

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