ダーク＆ノイズ
「あたしは……あたしは」

悠美の頭に、昨夜見た夢が横切った。

あのとき見た、自分の顔が忘れられない。


（木下は、あんな思いを……）


初めて自分のしたことに恐怖した。


「あやまりたい……」


続けようとする言葉を嗚咽がさえぎる。


「あんなこと……して……本当に」

自分への後悔と罪悪感、そして木下裕子への同情がないまぜになって、悠美はそのまま泣き崩れた。


佐々木は目線を恭一に向けた。

「もういいだろう」

その一言には、許してやってもいいだろうという意味が含まれている。

恭一にはその意味がわかりすぎるほどわかる。

「はい」

とだけ、短く答えた。




その頃、宇野のもとには、水沢神社に向かっていた福田から緊急の連絡が飛び込んできていた。

『宇野さん、早く応援まわしてくださいよ。大変なことになってるんです』

早急に応援を回そうとしたした矢先に、この学校から出動要請が出たのだ。

少女らの死体が出た、高崎正樹の自宅の捜査へも人員をさかれている。冬野真知子の捜査も中断されたわけではない。

「わかってる。わかってるが、そっちに人員を回せん状況になった」

『私たちがここに来てから、呪いをかけにきた人間が何人くらい来たと思ってるんですか。もう１００人は超えてますよ！』

（冗談じゃないぞ）

その報告を聞いて、全身の血がひいた。

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