ダーク&ノイズ
「人の命をなんだと思ってるんだ!」

さっきからこのセリフを何度口にしただろう。

そのたびに返ってくるセリフがまた、福田の怒りを増大させた。


「バカじゃないの、この警官。それが刑法となんの関係があるんですか」


この言葉を聞くたびに、なんともやるせない気分で胸が悪くなる。そして次の言葉もだいたい予想がついた。


「とりあえず、あなたの名前聞かせてもらえますか?」



(バカのひとつ覚えか)



ひとりがそう言うと、ほかの三人も勢いづいたように口をとがらせた。

「そうだそうだ。名前いえよ」
「ニセ警官ということもありえますね」
「警察署に照会して、本物とわかったら言うこと聞きますよ」

名前を言うことがどんなに危険か、福田にはわかっている。が、横井には呪いの信憑性など、信じることが出来ない。

「横井浩司だが、照会してみなさい」

警察手帳を突き出して、彼らに見せていた。

ニセ警官といわれたことに過度に反応してしまったようだ。

「横井!」

福田はその行為に、極度の緊張をはしらせた。
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