ダーク&ノイズ
「何だかんだ言っても、視聴率のことしか頭にないんだろう!」

宇野は気色ばんでそう言うと、放送車から立ち去った。


校舎から連行されてくる女生徒らは、いちように手錠をかけられている。

女子高生にそれは酷だと、普通は思うが、返り血をブラウスや顔に浴びているさまを見れば、そうも言ってられないだろう。

パトカーに次々と押し込められてゆく加害者の女生徒たち。

それを見ながら、宇野は今後の対応に頭を抱えていた。


そして──


「3、2、1……キュー」


放送を始めた星野らの声を、ただ背中で聞くしかない自分の力不足を悔やんでいた。




その日の午後、街は騒然となった。



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