ダーク&ノイズ
恭一が大声を出すのと、パトカーのサイレンが鳴り響いたのは同時だった。
「琢己、これ……」
小さな画面を差し出された琢己は、顔をちかづけてそれを確認すると、やはり同じように大きな声をあげた。
その真横をパトカーが数台追い抜いて行く。
恭一の携帯を取り上げた琢己は、絶句したままそれを佐々木に差し出した。
画面のなかには、大きなテロップが出ている。
『呪いは本当にあったのか? 女子高で大量死亡事件!』
星野らの放送が始まったのだ。
佐々木はそれを観て、眉をしかめた。
『……この学校で白昼堂々おこなわれた無差別殺人、さらに大量の行方不明者。この学校の生徒たちに話を聞くと、その原因はお凛の呪いだと口を揃えていました』
パトカーの後を追うようにして、出遅れを取り戻そうとする他局の放送車も通り過ぎてゆく。
テレビのニュースは、不安を煽る内容に終始していた。
『……呪われた人が助かるためには、呪った相手を殺さなければいけないと言われています』
佐々木は携帯を恭一に返すと、
「急ごう」
とだけ言って歩き出した。
その後を追って足を踏み出した琢己の視界の端に、ひとりの人物が映った。
道路を挟んだ路地から、顔を覗かせるようにして立っている。
どうということはない。が、思わず歩き出した足を止めた。
「琢己、これ……」
小さな画面を差し出された琢己は、顔をちかづけてそれを確認すると、やはり同じように大きな声をあげた。
その真横をパトカーが数台追い抜いて行く。
恭一の携帯を取り上げた琢己は、絶句したままそれを佐々木に差し出した。
画面のなかには、大きなテロップが出ている。
『呪いは本当にあったのか? 女子高で大量死亡事件!』
星野らの放送が始まったのだ。
佐々木はそれを観て、眉をしかめた。
『……この学校で白昼堂々おこなわれた無差別殺人、さらに大量の行方不明者。この学校の生徒たちに話を聞くと、その原因はお凛の呪いだと口を揃えていました』
パトカーの後を追うようにして、出遅れを取り戻そうとする他局の放送車も通り過ぎてゆく。
テレビのニュースは、不安を煽る内容に終始していた。
『……呪われた人が助かるためには、呪った相手を殺さなければいけないと言われています』
佐々木は携帯を恭一に返すと、
「急ごう」
とだけ言って歩き出した。
その後を追って足を踏み出した琢己の視界の端に、ひとりの人物が映った。
道路を挟んだ路地から、顔を覗かせるようにして立っている。
どうということはない。が、思わず歩き出した足を止めた。