ダーク&ノイズ
境内の入り口を必死に抑えていた福田は、群衆の圧力が大きくなったことを感じて、安堵をすぐに緊張へと切り替えた。
喧嘩を始めた高校生は、さすがに互いに相手を呪い殺そうとしていただけあって、取り押さえて制止をしても、体を離すとすぐにまた喧嘩を始めてしまう。
「横井、こいつらに手錠をかけろ」
業を煮やした福田は、ふたりとも手錠をかけて、近くの立ち木に繋ごうと考えた。
その高校生を引き離していたとき、さきほどの四人連れの連中のふたりが、強引に脇をくぐって駆け込んだ。
「こら、止まれ!」
その声は、足を止めるどころか、眼前の群衆の理性の糸を断ち切る結果となってしまった。
どっと踏み込んできた人間の圧力をこらえきれず、横井がしりもちをつく。
ついに均衡が破れた。
誰かが福田の体を押し倒す。なだれを打った群衆は、まっしぐらに神木を目指した。
(しまった!)
福田と横井は、立ち上がるとすぐにその後を追った。
「やめろ。逮捕するぞ!」
今度は群衆が阻止する番だ。強固な人垣が、神木の周りをぐるりと囲み、警官の侵入かたくなに拒む。
「公務執行妨害で逮捕されたいのか!」
福田と横井は、体をこじ入れることすら出来ない。
喧嘩を始めた高校生は、さすがに互いに相手を呪い殺そうとしていただけあって、取り押さえて制止をしても、体を離すとすぐにまた喧嘩を始めてしまう。
「横井、こいつらに手錠をかけろ」
業を煮やした福田は、ふたりとも手錠をかけて、近くの立ち木に繋ごうと考えた。
その高校生を引き離していたとき、さきほどの四人連れの連中のふたりが、強引に脇をくぐって駆け込んだ。
「こら、止まれ!」
その声は、足を止めるどころか、眼前の群衆の理性の糸を断ち切る結果となってしまった。
どっと踏み込んできた人間の圧力をこらえきれず、横井がしりもちをつく。
ついに均衡が破れた。
誰かが福田の体を押し倒す。なだれを打った群衆は、まっしぐらに神木を目指した。
(しまった!)
福田と横井は、立ち上がるとすぐにその後を追った。
「やめろ。逮捕するぞ!」
今度は群衆が阻止する番だ。強固な人垣が、神木の周りをぐるりと囲み、警官の侵入かたくなに拒む。
「公務執行妨害で逮捕されたいのか!」
福田と横井は、体をこじ入れることすら出来ない。