ダーク＆ノイズ
その画面に奇妙な模様が浮かび上がっていた。それを混乱した頭のなかで認識すると、更なる恐怖が星野を襲った。



その叫びは、まさに魂の悲鳴だった。


『星野、どうしたんだ！』


そしてそれきり静かになった車内には、携帯電話から漏れてくる声だけが、いつまでも聞こえていた。




悠美たちの居るファミリーレストランも、混乱をきわめていた。

「奴らと目を合わせてはいけない。見えていることに気づかれると襲ってくるぞ」

佐々木は、しゃがみこんだままの悠美を無理やり立たせると、その悪霊の横をすり抜けて店外へ足を向けた。

「会計をする余裕はないようだな」

カウンターの中のウエイトレスは、ただただ怯えてうずくまっている。


外に出ると、街の様相は一変していた。

恭一と琢己は、歩きながら時々足を跳ね上げた。道路わきの排水溝から次々と手が這い出してくる。

それが時々、探るように四人に伸びてくるのだ。

「なるべく道路の真ん中を歩きなさい。霊は壁に沿って移動する」

言われて左右を見渡すと、住宅街の塀には、ヤモリのように何体もの悪霊が這いずり回っていた。
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