ダーク&ノイズ
悠美は目を開けて顔をあげた。

そこには五人の顔がある。そのどれもが、歯を剥いて敵意をあらわにしていた。


「ホントにごめん……誤解だったんだ」


ぽつぽつと、悠美は言葉を漏らした。


「あたしが弱かったんだ。みんなを信じられなかった……。こんなことになって皆が怒るのは当然だよね」


後悔の念が胸をつく。


「でもね、誕生日プレゼント……すごく嬉しかった……ホントに……すごく嬉しかった」


流れ落ちる涙の粒が、地面に黒いあとを増やしてゆく。涙に覆われた視界では、希里たちの顔がぼんやりとしか見えなくなった。

その中の友人たちの顔がにじんで、かつてともに笑っていたときのように見えた。


「だから、あたしも行く……みんなと一緒にいたいの」


悠美は少しだけ笑い、涙をぬぐった。

しかし、再び開いた目に、希里たちの姿は映っていなかった。


「希里……夏美……」


静寂が訪れていた。

呆然とあたりを見渡した悠美は、何が起こったかわかっていない。

目を向けた先に佐々木がいる。その顔が優しく頷いていた。


「終わったよ。君の純粋な心が通じたんだ」


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