ダーク&ノイズ
詳しい事情がわかるわけではない。

しかし、醜い顔の下に浮かぶ、悲しい過去を感じとっていた。


「僕の命であなたが助かるなら、それで良いです」

「琢己!」


悠美はそう言い放った琢己の肩をつかむ。


「悠美、俺はお前を救いたい。それにはお凛さんを救うしかないんだ」


偶然にもその言葉は、お凛と悠美が同時に言った。


「あたしを……救う」





そのとき、横合いから鋭い声が飛んだ。


「動くな!」


声の主は宇野だった。


構えた両手の先には、拳銃が握られている。



「そいつが元凶です!」


恭一がお凛を指さして叫ぶと、宇野は頷いて言った。


「ああ、分かってる」


銃口の向きがわずかにスライドする。



「谷川悠美、お前が元凶だ」


その言葉に悠美が目を見開いた瞬間、銃口が火を噴いた。

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