ダーク&ノイズ
虫の鳴き声や、驚いて飛び立つ鳥に何度も腰を抜かしそうになりながら、それでも登った先に、ようやく朽ちかけた道案内の看板を見つけた。
“水沢神社”
黒ずんだボロボロの生木に書かれた文字は消えかけている。
うっかりすると見落としてしまいそうなほど遠慮がちに立てかけられていた。
そこから右に入る道があるが、そこはさらに細くなり、両脇の草木を掻き分けるようにして登らなければならなかった。
しかし小さい頃に行った記憶では、ここを少し登ればすぐに神社が見えるはずだ。ここまで来て引き返す愚はないだろう。
足元を注意深く照らしながら、その道へと入った。
やがて登りきった先が開けてくる。
それは目指す神社の狭い境内に入ったことを示していた。
真っ暗な空間が目の前に広がった。懐中電灯の光を差し込んでみてもまだ何も見えない。
その中へ一歩踏み出した途端、悠美の足が何者かに捕まれた──
せり上がってくる恐怖。
悲鳴は喉で押しつぶされたようにつっかえた。
「ひぃっ!」
踏み出した不安定な状態ではひとたまりも無い。
体はいきなり地面に叩きつけられ、持っていた懐中電灯が二転三転して前方へと転がった。
“水沢神社”
黒ずんだボロボロの生木に書かれた文字は消えかけている。
うっかりすると見落としてしまいそうなほど遠慮がちに立てかけられていた。
そこから右に入る道があるが、そこはさらに細くなり、両脇の草木を掻き分けるようにして登らなければならなかった。
しかし小さい頃に行った記憶では、ここを少し登ればすぐに神社が見えるはずだ。ここまで来て引き返す愚はないだろう。
足元を注意深く照らしながら、その道へと入った。
やがて登りきった先が開けてくる。
それは目指す神社の狭い境内に入ったことを示していた。
真っ暗な空間が目の前に広がった。懐中電灯の光を差し込んでみてもまだ何も見えない。
その中へ一歩踏み出した途端、悠美の足が何者かに捕まれた──
せり上がってくる恐怖。
悲鳴は喉で押しつぶされたようにつっかえた。
「ひぃっ!」
踏み出した不安定な状態ではひとたまりも無い。
体はいきなり地面に叩きつけられ、持っていた懐中電灯が二転三転して前方へと転がった。