ダーク&ノイズ
つい先日、この地を襲った大きな地震が頭に浮かんだ。
近代建築の住宅でさえ何棟か被害にあっているほどだ。それがこんな年代モノの建物ならばひとたまりも無かったかも知れない。
残骸を照らしていると、悠美の背中がぞくりと冷えた。
その背後にそびえる大木が光に浮き上がったのだ。
伝説のあの大木──
興味半分で友達とここを訪れたとき、幹に打ち付けられた無数の釘を見て恐怖を覚えたものだ。
まさか今、自分がそこに打ち込むことになるとは当時は思っても見なかった。
改めてその威容を見上げて唾を飲み込む。
人が何人も手を繋いでようやく囲むことが出来る太い幹、それは地面からいきなり突き出すように姿を現していたはずだ。
しかし悠美の目には、その幹の下に広がる、うねった太い根が見えている。
(こんな感じだったっけ?)
記憶に間違いがあったのだろうか?
いぶかしげに恐る恐る近づいた。
近代建築の住宅でさえ何棟か被害にあっているほどだ。それがこんな年代モノの建物ならばひとたまりも無かったかも知れない。
残骸を照らしていると、悠美の背中がぞくりと冷えた。
その背後にそびえる大木が光に浮き上がったのだ。
伝説のあの大木──
興味半分で友達とここを訪れたとき、幹に打ち付けられた無数の釘を見て恐怖を覚えたものだ。
まさか今、自分がそこに打ち込むことになるとは当時は思っても見なかった。
改めてその威容を見上げて唾を飲み込む。
人が何人も手を繋いでようやく囲むことが出来る太い幹、それは地面からいきなり突き出すように姿を現していたはずだ。
しかし悠美の目には、その幹の下に広がる、うねった太い根が見えている。
(こんな感じだったっけ?)
記憶に間違いがあったのだろうか?
いぶかしげに恐る恐る近づいた。