ダーク&ノイズ
背中をこすりながら中へと身を乗り入れると、じんわりと湿った空気が首筋を撫でる。
立てるほどの高さは無かったが、さらに奥に小さな穴が続いているのが分かった。
さすがにそこには這って入るしかないようだ。
どこまで続いているのか考えるのは止めた。とにかくこの朽ちた人形に囲まれた穴ぐらでやるべき事をやらねばならない。
袋をひっくり返すと、幾つもの赤い人形と太い釘、そして金槌が冷たい地面に転がる。
藁は無かった。そこで毛糸を代用して作ったのだ。
それで効果があるのかは分からないが、似たようなものなら大丈夫だろうと思っていた。
空いたスペースを見つけて人形をそこに押し付けた。
取り上げた釘を押し込むと、中に埋め込んだ紙にプスリと釘が通る感触が指を伝う。
人形を貫いた釘が壁に当たると、緊張で指が震えた。手元を照らす光が逸れないよう、懐中電灯を改めて膝に挟む。
これを打ち込めば──
(死んでしまえ! あたしをいじめるなんて、裏切るなんて許せない!)
震える手がその釘の頭めがけて金槌を打ち込んだ。
立てるほどの高さは無かったが、さらに奥に小さな穴が続いているのが分かった。
さすがにそこには這って入るしかないようだ。
どこまで続いているのか考えるのは止めた。とにかくこの朽ちた人形に囲まれた穴ぐらでやるべき事をやらねばならない。
袋をひっくり返すと、幾つもの赤い人形と太い釘、そして金槌が冷たい地面に転がる。
藁は無かった。そこで毛糸を代用して作ったのだ。
それで効果があるのかは分からないが、似たようなものなら大丈夫だろうと思っていた。
空いたスペースを見つけて人形をそこに押し付けた。
取り上げた釘を押し込むと、中に埋め込んだ紙にプスリと釘が通る感触が指を伝う。
人形を貫いた釘が壁に当たると、緊張で指が震えた。手元を照らす光が逸れないよう、懐中電灯を改めて膝に挟む。
これを打ち込めば──
(死んでしまえ! あたしをいじめるなんて、裏切るなんて許せない!)
震える手がその釘の頭めがけて金槌を打ち込んだ。